こんにちは、このメディアを運営している会社「IRENKA KOTAN合同会社」を経営している種市慎太郎です。この連載では、デジタルネイティブ世代で起業家の僕の目線から見たデジタルネイティブと社会の関わり方を考えていく連載にしていこうと思ってます。それではどうぞ。
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デジタルネイティブ世代ってなんだろう。
基本的な定義は色々あるが、今回は、そんな学術的な定義ではなく、もっとリアルな、デジタルネイティブ世代についてを考えていきたい。
デジタルネイティブ世代とは、僕が考えるにデジタルコミュニケーションに最適化された人である。もっというとデジタル上で人の感情や情報を想像しつなぎ合わせ、人間の社会的な活動をデジタル上で展開するのを極めて自然に展開できるようになった人のことだと思う。
なんだ当たり前じゃないかZ世代やミレニアル世代とかと同じような世代で括った差別化かと思ったあなた、少し話を聞いて欲しい。
デジタルネイティブ世代とは、特定の世代(年齢による区分や文化的な区分)だけを指す概念ではない、僕はデジタルネイティブ世代とは人間の社会的な活動の仕方の違いを表す概念だと思っているのだ。
人間の社会的な活動とは、人間がこの世で営む他者との交わり全てである。親、先生、友人、企業活動、政治参画、すべての活動をここでは人間の社会的な活動と包括している。そして、デジタルネイティブ世代の最大の特徴とは、それらの活動を極めて自然にデジタル上で展開しうるということだ。
例えば、僕は会社を経営しているが、オフィスはない。社内のコミュニケーションは全てはSlackとZOOMで完結している。採用もツイッターで面談を申し込み、ZOOMで会い、そしてZOOMで意気投合してSlackにはいると仲間になる。社内のミーティングは全てオンラインだし、中には一度も会ったことのない人や、会った回数よりオンラインで話した回数の方が圧倒的に多い人がいる。その関係性で僕は怒ったり悩んでるメンバーに声をかけたり、喜んだり、笑ったりしている。サラリーマンが一昔前は全て会ってやっていたことを、僕らは全てデジタル上で完結させている。
こういう状態を、社会的な活動がデジタルで自然に展開しているという。
しかしこの特徴は、世代でくくれるのだろうか。Z世代特有のコミュニケーションパターンなのだろうか。
僕はこのコロナ禍で全人類がデジタルネイティブ的な生活に一度は触れたことを契機として、今後デジタルネイティブな人の割合は増加していくと思う。デジタル上でのコミュニケーションが違和感を持って受け止められた2020年。しかしこの一年で人類は随分とデジタル上のコミュニケーション(デジタル媒体を駆使した文字・画像・音・映像中心のコミュニケーション)に慣れた。オフラインでやっていた会議は、ほとんどZoomで実施になり、Slackは一般化され、TikTokからスターが生まれ、オーディションやライブはYouTubeで行われた。今年最も伸びたアプリはTinderという声もあるくらい、人はデジタル上のコミュニケーションの仕方を学んだ。今の技術ではできないことも多かったが、今後技術の進歩とともに、違和感は完全になくなっていくだろう。出張がZOOMに置き換わったように。
今後はデジタル上でのコミュニケーションが自然に、違和感なく行われ、そしてデジタルで完結する関係性がどんどんできていくと僕はおもっている。世代としての特徴としてのデジタルネイティブではなく新しい人類の社会の設計の仕方としてのデジタルネイティブ。デジタルコミュニケーションが社会の循環のほぼ大半をしめた世界は案外すぐそこにあるのかもしれない。一度も見たことのない人と平安時代の日本人は恋をしたというが、今現実にデジタルデバイス上の関係だけのカップルができているように、身体性を置き去りにした、デジタルネイティブな人類がつくる社会は悲劇なのか喜劇なのか。このメディアではそんなデジタルと人間社会についての考察を書いていきたい。
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投稿日 | 2021年6月7日 |
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更新日 | 2021年6月8日 |