選挙は私たちに残された最後の希望だ。「2021年、私たちは選挙とどう向き合うのか」開始によせて編集長からメッセージ


2017年に行われた前回の衆議院選挙から早4年。解散に伴い2021年10月31日に第49回衆議院選挙が行われる。環境問題・ジェンダー問題への意識の高まり、オリンピックの開催、そして新型コロナウイルスによるパンデミックと、この数年は日本社会が大きく動いていると感じている。そんな中で行われる選挙は、日本の「これから」の方向性を決める大きな機会になるだろう。 

しかし、これからの社会を担っていく、いわゆる“若者”と呼ばれるデジタルネイティブ世代は政治や選挙に関してあきらめのような感情を抱いている。人口的にデジタルネイティブがマジョリティとなる欧米諸国と異なり、少子高齢化の進む日本ではデジタルネイティブはマイノリティなのだ。若者が「自分が選挙に行ったところで何も変わらない」と選挙に対して無力感を抱く理由もここにある。

若いデジタルネイティブ世代が選挙に行って票を投じることは、全体から見ると確かにとても微力なのかもしれない。だが、微力だとしても、それは絶対に無力ではない。

今回行われる選挙の結果をもとにこれからの日本社会の方向性が決まっていくが、その社会で生きていくのは自分達自身である。自分たちの作りたい社会を実現させるための私たちにとっての最後の希望。それが選挙だ。

選挙に行く意義は「選挙は主権者として政治に意思を反映させることのできる重要かつ基本的な機会だから」というような説明で済まされてしまうことが多い。しかし、私たちに必要なのは、デジタルネイティブ世代の私たちが票を投じることによって生まれる「微力」がどのように国を動かしていくのか、ひいては「民主主義において選挙が果たす意義」というものを今一度問い直したうえで選挙に向き合うことだ。

「2021年、私たちは選挙とどう向き合うのか」のプロジェクトを通じて選挙を探究することは、より良い社会を作るための第一歩になるはずだと私たちは考えている。

『2021年、私たちは選挙とどう向き合うのか』

日時: 10/25 (月) 19:00-20:00(イベントは終了しました。)
開催:オンラインイベント
主催: 北海道選挙管理委員会 
運営:SENSE:D

 どう選挙と向き合うべきなのか、選挙によってどう社会は変わるのかをテーマにしたオンラインイベント。

国民の意思に基づいて政治が行われる民主主義において、国民の意思を聞く機会である選挙が大きな役割を果たしていることは疑いようのない事実だ。しかし、なぜか選挙の重要性が語られる時は「選挙は大事だから行こう」という荒い解像度のことが多い。

選挙の重要性が分からないままで、選挙に参加する意義を見出すことができるのだろうか?若者が「どうせ自分の一票じゃ何も変わらない」という無力感を抱えている理由もここにあるのではないか。
 若者と選挙の向き合い方と私から始まる社会設計の手法を考える。

【アーカイブ】
>10/25 デジタルネイティブと問いを探究するメディア #2『2021年、私たちは選挙とどう向き合うのか』SENSE:D 

【イベントレポート】
>「2021年、私たちは選挙とどう向き合うのか」イベントレポート

【関連記事】
>私たちから始まる社会設計 。民主主義における選挙の役割を海外の事例から紐解く

鷲見 萌夏
PROFILE_

鷲見 萌夏 / ライター

SENSE:D 編集長

1999年北海道札幌市生まれ。上智大学文学部 新聞学科在学中。メディア・ジャーナリズムの勉強をしながら「伝える・伝わる」ことについて考えている。その一環で「ガクセイ基地」「PEACE BOAT DECK」等のウェブメディアで記事を書く。今年のゼミでの研究テーマは、若者におけるラジオの価値を言語化すること。