札幌で公共空間の活用に関して考え、実証実験を行うプロジェクトが開始【札幌プレイスメイキング最前線#1】

SUMMARIZE:D

札幌の大通公園を舞台に行われているプレイスメイキングの実証実験「都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト」。企画・運営をしている札幌プレイスメイキング実行委員会とSENSE:Dがコラボして、プレイスメイキングやまちづくりに関する探究を行っていく「札幌プレイスメイキング最前線」の概要を紹介する。

札幌都⼼プレイスメイキング実⾏委員会が行っている「都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト」と探求型メディアSENSE:Dがコラボをして、プレイスメイキングに関する探究を行うプロジェクト「札幌プレイスメイキング最前線」がスタートする。 

プレイスメイキングとは、すべてのコミュニティの中心となる「公共空間」を人々が一丸となって再考し、再構築するためのアイデアであり、実践的なアプローチのこと。つまり、ただの「場づくり」ではない。公共空間の居心地がよくなり、そこから新しいコンテンツや、賑わい、コミュニティがうまれることで、その「場」が存在する街全体の価値の向上を目指すのがプレイスメイキングだ。

「札幌プレイスメイキング最前線」の連載第一回目となる今回の記事では「都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト」の紹介を行う。

「都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト」とは

北海道札幌市で行われている、公園や広場などの公共空間が札幌市民や来訪者にとって利便性や快適性が高く、居心地の良い空間になるために、公共空間のあり方に関して考え、実証実験を行うプロジェクト。 

今回の実証実験の舞台は札幌の都心にある「大通公園」。

公園をただの公共空間としての公園ではなく、そこから何かが創発されている(=コミュニケーションがうまれる)場所にすることが目的。大通公園での実証実験を通じて、公共空間を面白く活用するための仕組み(プラットフォーム)を作ることで、それを応用・活用していき札幌全体が「世界一コミュニケーションが誘発される」場所になることを目指している。とにかく、“熱い”人を増やしたい!社会に対してメッセージを持っている人が「自己表現」をする舞台を創りたい!そんな想いで実行委員会のメンバーは一丸となっている。

札幌プレイスメイキング実行委員会について

「都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト」を企画・運営している札幌プレイスメイキング実行委員会のメンバーは以下の通り。

最大の特徴は官民の双方のイノベーターが参加しタッグを組んでいることだ。この一連の実証実験を通じて、公共空間のあり方について考える場になるだけでなく、官民とのつながりがうまれる場にもなっていくだろう。

今後の予定

公共空間の利用・活用のために「都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト」が行う予定の実証実験は以下の通り

・SAPPORO OUTDOOR OFFICE 構想
ワーカーは仕事、学生は自習、子どもはゲーム宿題などなど、圧倒的に快適な簡易コワーキングスペースを公園の中に置いてみる

・SAPPORO ART STAGE構想
コロナ禍でもエンタメを楽しめるリアル×バーチャルの体験空間

・SAPPORO 防災CAMP 構想
災害の「⾮⽇常」を経験しながら「⾃分の/誰かの⾝を守る」知識とスキルを⾝につける

・SAPPORO PARK LIBRARY 構想
公園にはみ出す「知」の窓⼝。気軽にお喋りできる常設の「青空図書スペース」

・SAPPORO COFFEE CITY 構想
コミュニケーションを誘発する真のカフェ⽂化

など。

それぞれの企画の詳細に関してはSENSE:Dの連載「札幌プレイスメイキング最前線」の中で紹介していく予定です。続報をお待ちください。

実証実験であるということ

上記で紹介した防災キャンプなどは8月末に大通公園で行われる予定だが「都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト」は単にイベントを行うためのプロジェクトではない。短期間で終わるイベントではなくいずれはそれを常設にするシーンを作っていくための実証実験だ。

例えば、公園という公共空間にワークスペースを作るためのベンチと机を設置したいと考えた時には、条例等に基づいた占有許可を取る必要がある。「都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト」で目指しているのは、このベンチと机があることでコミュニケーションが生まれるといったような「意味のある仕組み」としてのベンチと机を設置することだ。

この記事ではベンチという例えで説明したが、本プロジェクトでは様々な角度から公共空間の価値を高める仕組みづくりを行っていく。この仕組みがあることで公共空間にこんな価値が生まれるといった意味付けと、それの成果出しを行うための実証実験を行っていくのが「都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト」なのだ。

コロナ禍と街づくり

2021年6月現在、未だに新型コロナウイルスの感染終息の目処は立っていない。多くのイベントが中止となっている中、8月末に実施を予定している実証実験が行えるのかも現段階ではまだ判断できる状態にはない。もちろんオンラインに切り替えての実証実験の方法も検討はしているが、札幌都心プレイスメイキング実行委員会はどんな状況でも街づくりは委縮させてはいけないと考えている。

例えば、災害はコロナ禍でもやってくる。避難所などで感染リスクをあげないようにして食事を準備する方法を考え、実際に行ってみることは、今だからこそ行う価値がある。また、いつコロナが収まるか分からないからこそ、コロナ禍での街づくりを考えていかなくてはならない。

オフラインで実証実験を行うことができなかったとしても、公共空間に関して何かを作るために考え抜いた過程を発信し、それをアーカイブしていくという一連のプロセスそのものが、今後の公共空間活用のための大きな一歩になるだろう。

「札幌プレイスメイキング最前線」とは

ここまで、札幌都⼼プレイスメイキング実⾏委員会が行っている「都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト」について紹介してきた。

探求型メディアSENSE:Dではこのプロジェクトとコラボをして、プロジェクトに関する情報発信を行っていくだけでなく、日本国内ではまだ行われている事例の少ない「プレイスメイキング」についての探求を深めていく。

  • デジタルネイティブはリアルな場としての公共空間をどのように考えているのか?
  • プレイスメイキングが行われることで社会はどのように変わっていくのか?
  • オンラインでのコミュニケーションが当たり前になっていく中で、公共空間がどんな役割を果たしていくのか?

デジタルネイティブのSENSE:D編集部が「都⼼まちづくりプラットフォーム公共的空間活⽤プロジェクト」を通じて上記のような探求を行っていくのが「札幌プレイスメイキング最前線」だ。

次回の記事では、札幌都⼼プレイスメイキング実⾏委員会の事務局長 林匡宏さんに、プレイスメイキングとは何かや、このプロジェクトに関するお話を伺ったインタビューをお届けする。

>林匡弘さんインタビュー / 大通公園での実証実験について【札幌プレイスメイキング最前線#2】

鷲見 萌夏
PROFILE_

鷲見 萌夏 / ライター

SENSE:D 編集長

1999年北海道札幌市生まれ。上智大学文学部 新聞学科在学中。メディア・ジャーナリズムの勉強をしながら「伝える・伝わる」ことについて考えている。その一環で「ガクセイ基地」「PEACE BOAT DECK」等のウェブメディアで記事を書く。今年のゼミでの研究テーマは、若者におけるラジオの価値を言語化すること。