大学や地方に縛られず、クリエイティブなフィールドを開拓する教育大生とは?

こんにちは、伊藤碧です。

このコラムでは自己紹介がてらに、函館のローカルなフィールドで、大学で学んでいることとは全く違う分野の活動をする自分について「どのようにローカルで、そして大学外で様々な活動を始めたのか」を中心に話します。

今回私がコラムを書くにあたって、浅くかじった程度の形式知に考察を付随して語るよりも、自分の経験と思考を暗黙知を語る方が、なんか自分らしいし、自分にしか書けない文章だと判断しまして、このコラムを書き終えました。SENSE:Dの編集者かつコラムニストという形で関わらせてもらった私自身について知ってもらえたらと。是非!

目次

教育大学生、けれどクリエイティブに生きる私の自己紹介

私は現在、北海道教育大学函館校の教育学部、地域協働専攻 国際協働グループに所属している大学3年生である。だが、大学2年次にクリエイティブなジャンルに傾倒し、今では生活の軸のほとんどが大学外での生活にある。そして、普段は函館のシェアハウス 「荘」にて生活しながら、イベントや活動などを行っている。

函館の古民家シェアハウス「荘」の一件目である「わらじ荘」とそこに住む「荘民」

個人のメイン活動としては、リキッドライトによるVJや演出活動「Into Weeknights」、学生フリーランスとしてグラフィックデザイナーとしてのお仕事、札幌・小樽の学生とクリエイティブチームを組み、チームで活動しながらそこでレーベルの方とも協力しつつ活動展開を行っている。

リキッドライトイベントののリハーサルの様子。右手でプレイしている方は、かとう たつひこさん。

millenium paredeDWSPREMETRONなどで活躍するMori CotaさんがMC TAKAさんのyoutubeチャンネルにて仰っていた「もう肩書きがまとめられないからすべて書いている、肩書きMori Cota」の発言のように、ありとあらゆる側面を並行的に持ち合わせており、それらを掛け合わせつつ自分の特性や特徴として生きている人が増えた気がしている。もちろん基礎知識や専門性をつけることを前提とした上でだが、今や、一つの武器だけを持ち合わせるだけじゃ土俵に立つ以前に埋もれてしまうかもしれない。

大学在学中の転換期

上記のように本格的にクリエイティブな活動に傾倒したのは大学に入ってからだった。幼少期から元々クリエイティブ全般(創造や絵画等)は好きだったのだが、大学進学の際に、クリエイティブ業界はまったくの無知であり、趣味ならまだしも、創作物や制作するものが職や学問などの実用性や社会性があるとは、当時の高校生の自分には思えなかった。また、デザインの分野も当時は知らなかったし、芸術家では食べていけないという固定概念もあったので進路にしなかった。

結局、当時興味があった貧困国を救う系の学部を進路にし、教育学部だが国際分野が勉強できる大学に入った。とはいえ、目的もない中でただ憧れである海外に興味関心をもって、国際ボランティアや国際的な活動を行うのは、はたして自分の本質的なやりたいことは何なのかを自問自答してしまう自分がいた。ただ漠然と「貧困国を救いたい」のような耳障りの良い発言等は自分のエゴであったし、本当に貧困国救う為に前線で活動している人間に失礼だとも思ってからは興味が無くなってしまった。

そして、あれこれ悩んだ結果、本当に自分が生涯を通してやりたいことの本質を考えたときに、自分が好きで、生活の一部のような「創作や作品を生み出すこと、作ること」に回帰したのである。とはいえ、海外での経験や海外での出会いも、自分にとってかけがえのないものであり、今の自分形成している要因である。

デジタルネイティブ世代らしい動き方?

心機一転し、人脈も金銭面も持っていない自分が最初に手をだしたのは、ノートとペンとそれからインターネットである。ネットの情報をフル活用して、リサーチと活動の戦略(計画)を立てつつ、そして当時から住んでいる函館のシェアハウスで関わった人を中心に、多くの人に助けを借りながら活動を始めて行った。

今は本当に良き時代で、インターネットには莫大な情報が存在している。

勉強するにしても、今や、Youtubeには独学でも充分に勉強できるコンテンツが揃っており、電子辞書やオーディオ版の書籍で情報を仕入れられる時代である。他者とはSNSで繋がっているので孤独感は和らぐし、Twitter、Podcastでも興味関心のある分野の情報が入ってくる。知らないことも簡単に検索エンジンにキーワードを打てば知ることができる。

そんな今の時代だからこそ、私は大学で学んでいることとまったく異なる分野であっても、大学外で自分のやりたい活動が始められた。

SENSE:D編集部の種市くんのコラムで、デジタルネイティブ世代について触れられていたが、改めて自分の活動具体を振り返ると、デジタルの力を借りた活動展開が多かったため、デジタルネイティブ世代らしい活動展開の方法であったという実感をしている。

グラフィックデザインの話でいくと、デザインや基礎造形、さらには美術や美術史の分野は、デジタル上でしかもほとんどが無償で勉強できる。そして私は、公立はこだて未来大学の教授にZoomで、デザインの成果物を添削してもらっている。あと、基本的には何か一緒に面白いことしたいと思う人には、TwitterやInstagramで躊躇なくメッセージを送るようにしている。

リキッドライトの活動を始めるときも、TwitterのDMにて、札幌の師匠である かとう たつひこさんにオーバーヘッドプロジェクター(OHP)のことを聞いて、そこからROTH BART BARONさんのライブでのパフォーマンスを魅せてもらえることになったことをきっかけに、今お世話になっている。さらに、東京でリキッドライトをやっているハラタアツシさんの個展もTwitterで知って、そこから連絡を取り始めた。OHPは入手が困難なのだが、これもFacebookで呼びかけ、幸せなことに多くの方からお声がけやお力添えをしていただいた。

リキッドライトショーの様子

自分のやりたいことが決まってからも、大学で学んでいることとまったく異なる分野であることに悩んだ時期もなくはない。けれど、私の場合は上手くデジタル上とつき合っているからこそ、ローカルでも、大学外でも、充分に活動ができている。

都市部ではなく地方にいることで人や機会の「出会い」による刺激が得にくいというコンプレックスを抱えている、自分の所属しているコミュニティの質(が良くないor低い)などの色んな足枷があったとしても、今の時代は、ありがたいことに自分に動きだす意志があれば、デジタルが普及していなかった時代よりも多少は動きやすくなっているのではないかと今の自分は思っている。

多様化がすすみ、絶対的な答えが存在しなくなった現代、情報をいかに上手く収集し、精査し、いかに得たものを自分に役立たせるかを戦略的に考え生きていきるタフさを持ち合わせることを大切にしていきたい。

以下記事に出てきた活動のリンクを貼っておきます!

興味をぜひチェックしてみてください。


伊藤 碧

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note 今月、アオイ。2021.4|Ito AoI | 伊藤碧|note

リキッドライトプロジェクト Into Weeknights

Twitter https://twitter.com/IWeeknights

Youtube Into Weeknights – YouTube

Instagram https://www.instagram.com/into_weeknights_aoi/

函館の古民家のシェアハウス「荘」

伊藤 碧
PROFILE_

伊藤 碧 / ライター

北海道函館にいる教育大学生。函館の学びの校舎、「荘」プロジェクトの一員。 オーバーヘッドプロジェクター(OHP)を使用し、色と光と液体を組み合わせたアナログ映像パフォー 60sに誕生したリキッドライトショーから影響を受けて始まった、映像演出・制作を行うリキッドライトプロジェクトInto Weeknights」を開始。マンスや作品制作を行う。また、グラフィックデザインや映像制作も行う。

2021.06

SENSE:DRIVE

デジタルネイティブの視点の発信をテーマにリサーチやコラムをデジタルネイティブ視点で配信していく探究プロジェクトです。

デジタルが一般になった時代を生きるデジタルネイティブについて、欧米の情報がメインで伝えられる中、我が国のデジタルネイティブのリアルな状況や、考え方、生み出しているものなどをリサーチし、彼らが切り拓く時代を先に伝えていきます。