模擬国連きっかけで考えた学びの環境と選択肢

みんな模擬国連って知ってる?こちらのコラムでは「模擬国連」の話から始めて、いろいろな物事についての選択肢について話をします。

模擬国連とは

模擬国連とは、学生が各国の大使になりきり、実際の国連の会議を模擬する活動です。各大使は、会議準備として担当国や議題についてリサーチを行い政策を立案します。会議では自国の政策をもとにそれぞれの国益を考慮しながらも、国際社会としての問題解決に貢献するために、演説や交渉を行います。 

模擬国連とは | グローバル・クラスルーム 日本委員会

つまりは、国際社会が抱える問題を解決するため、担当の国の立場に沿って自国の利益と問題解決のバランスを取ってディベートをする活動。

模擬国連の活動をしてたのは高校1年生の時から2年間弱。とても刺激と学びが多かった。

札幌で学生として生活していると出会う機会の少ない帰国子女の方だったり、社会問題・世界の抱える問題に対して真面目に関心を持っている人だったりに会うことができる。模擬国連の活動に参加することで、自分が普段学んでいる環境と違う環境にいる高校生と関われたことは大きな利点だったなと思っている。

そもそも、ちゃんと「国連」について知ることができたのはすごい大きかった。今自分はローカルを中心に活動しているけれど「世界」という広い視点で問題や課題を解決する機関のことをしっかり知ることができたのは良かった。広い視点で物事を捉える機会があるのはとてもありがたい。国連や模擬国連に関わっていると、話題に上がってくる社会問題や環境問題を先取りできたこともあった。

例えば、SDGsって言葉が広がりだしたのは2020年の頭くらいからだけど、2019年の全日本高校生模擬国連大会の選考資料で、SDGsをテーマにした課題が出ていた。SDGsは国連サミットで2015年に採択されているほど重要なことだったんだなと。
ちなみに2015年1月1日から2021年6月1日までのGoogle Trendsのデータが以下の通り。

社会がしっかりと向き合うべき取り組みを早いうちから知れたのは良かった。
模擬国連を知ったきっかけは学校のチラシを見たこと。
参加を決めたのは結構ノリだったけど、そのチラシがなかったら札幌では知る機会が無かったのかなと思ってる。


札幌は全国的に見ると都会で、人口も200万人くらいいて、市内総生産が政令指定都市の中だと4位らしい。名古屋の次、福岡の上。経済発展もしてる。
でも、模擬国連をはじめとした学生の課外活動は活発じゃないし、知る機会も少ない。

活発になるべき!という話ではなく、活発に動くことのできる土壌はあって欲しい。
他力本願ではあるけど一人で頑張るより仲間だったり味方だったりは多いほうがいいよね。

関西圏や関東圏では、模擬国連の活動が活発。
でも「参加する」ことも「参加しない」ことも選ぶことができる。活発に動きたい人は気持ちを最大限に働かせることができる。でも、地方だとそもそもその選択肢がなくて自分で選択肢を切り開いていかなきゃいけない

最初から選択肢がある人は、その選択肢の上で決断できる。
選択肢がない人は自分で選択肢を作らなきゃいけない。選択肢を新たに作るのはコストがかかる。元からある時と比べて結果として行き着く先が変わるよね。良し悪しの話ではなく、もっと良い結果になったよねという話。

よく言われる教育だったりなんだりの環境というものは、ある意味「選択肢」なのかもしれないと思う。

最近Twitterで知った徳島から海外の大学に行った方。その人は自分で選択肢を広げていた。地方から海外の大学へ行くという選択肢は後に残るから、前例を知っている学生の選択肢は一つ増えたことになる。環境ってそうやって作ってくしかないよね。

視点が広くなるけど、選択肢が多いことは、社会特にローカルにとって利点だと思う。自分から動こうとしたときに選択肢があれば、そこに乗っかって行動の質を上げることにリソースを割けるようになる。なによりその選択肢には前例を築いた人のナレッジもあるだろうから単純に質は上がっていく。

選択肢を今よりも増やしていくことはとても頑張りどころだなぁと思っている。

余談だけど、いわゆるZ世代という人たちはその選択肢を作る人が多いのかなと感じる。違うかもしれないけど。でもやろうとしていることは新たな選択肢の開拓だと思う。

自分がIRENKA KOTANで働く理由の一つは、選択肢を増やすことだったりもします。
のっかれる選択肢は多い方がいいよねという思想(これは会社全体というよりの個人のコミットメントに関するモチベ)のもとやってます。

西村 航
PROFILE_

西村 航 / ライター

クリエイティブディレクター

2002年生まれ。中学生の時からプログラミングをはじめ、高校生のときにWeb制作を中心としたクリエイティブ制作を行うチームKraftsmaNを創立。SENSE:DのWeb制作ディレクションを担当。

2021.06

SENSE:DRIVE

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